マライア・キャリーが2026年ミラノ冬季五輪の開会式に出演する。「All I Want for Christmas Is You」で冬の象徴となった彼女が、今度は五輪という別の「冬のイベント」に登場することになった。五輪側は、なぜ「クリスマスの女王」を必要としたのだろうか?
「クリスマスの女王」が五輪の舞台へ
2025年12月16日、ミラノ・コルティナ冬季五輪の主催者は、マライア・キャリーが開会式に出演すると発表した。2026年2月6日、ミラノのサンシーロ・スタジアムに6万人の観客が集まり、数百万人がテレビで視聴する。56歳のキャリーは、「Ci vediamo a Milano(ミラノで会いましょう)」とInstagramで応えた。
冬季五輪開会式に名を連ねる初の国際的スターとなる。主催者は「マライア・キャリーは、大会に向けた期待感を完全に体現している」と述べた。発表のタイミングは興味深い。
毎年12月に「復活」する不朽の名曲
マライア・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」は、1994年のリリース以来、冬の風物詩となった。毎年12月になるとチャートに復帰し、ストリーミング時代でもその力は衰えない。Billboardによれば、2019年には初めてBillboard Hot 100の首位に立ち、それ以降も毎年のようにトップ10入りを果たしている。
Spotifyでは、この曲は毎年クリスマスシーズンに数億回再生される。推定される累計収益は6000万ドル以上とされ、クリスマスソングとしては史上最も商業的に成功した楽曲の一つだ。マライアは「クリスマスの女王」と呼ばれるようになり、冬そのものを象徴する存在となった。
つまり、彼女はすでに「冬のアイコン」だった。
五輪が「冬のアイコン」を必要とした理由
なぜ五輪側はマライアを選んだのか?答えは、前回のパリ夏季五輪にある。
2024年7月、パリの開会式にはレディー・ガガとセリーヌ・ディオンが登場し、世界中の話題をさらった。特にセリーヌ・ディオンのパフォーマンスは、エッフェル塔を背景にした圧倒的な演出で記憶に残った。パリは成功した。ミラノもそれを再現したい。
しかし、冬季五輪には独自の課題がある。夏季五輪ほどの注目度がなく、開催地も比較的地味だ。ミラノは確かにファッションの都だが、パリほどのグローバルな象徴性はない。そこで「冬」そのものを象徴するスターが必要になる。
主催者は「音楽は普遍的な言語であり、開会式のテーマである『調和』と結びつく」と説明した。しかし、実際には注目度の計算があるだろう。マライアのブランド力を借りることで、冬季五輪に「冬らしさ」を強化し、グローバルな視聴者を引き寄せる。彼女は、五輪にとって都合の良い「冬のアイコン」と言えそうだ。
2月のミラノで、マライアは何を歌うのか
開会式では、ジョルジオ・アルマーニへの追悼も行われる。2024年9月に91歳で亡くなったイタリアのファッション界の巨匠だ。一方、閉会式ではバレエスターのロベルト・ボッレがヴェローナの古代ローマ円形劇場で演技する。ファッション、バレエ、そして音楽。ミラノは文化の力で五輪を彩ろうとしている。
しかし、一つ疑問が残る。マライアは何を歌うのか?「All I Want for Christmas Is You」はクリスマスソングだ。2月6日には季節外れかもしれない。それとも、五輪側は彼女の他のヒット曲を期待しているのか? あるいは、「冬」というテーマそのものが、クリスマスを超えて彼女を呼び寄せたのか。
冬を2度支配する存在。それがマライア・キャリーと言えるかもしれない。
